第31回 仕事の思い出【探偵編⑪「師匠、現場に降臨!」】
少し寒さがおちついてきていますが、油断せず冷えないように
気をつけている つなぐ です(^_^;)
さて、前回までの四回分程は僕の探偵デビューから現場の幾つかの仕事について書いてみました。
第27回 仕事の思い出【探偵編⑦「いざ現場へ!Part1」】
第28回 仕事の思い出【探偵編⑧「いざ現場へ!Part2」】
第29回 仕事の思い出【探偵編⑨「いざ現場へ!part3」】
探偵編ももうすぐ書き終えようと思っていますので、
今回で現場の話を一応終わりにしようと思っています。。
今回書くのは、現場に出た思い出で今でも印象深く覚えている話なんです。
それは、我が探偵の師匠 Y先生が初めて現場に登場したときの話です…
Y先生との出会いについてはこちらからお読み下さい↓
先生はこの探偵業界も長く、大阪でも結構名の通ったベテランの探偵です。
また、「探偵学校」も長年運営し沢山の卒業生を輩出、そこから実際に探偵も生まれています。
そんなY先生の周りには個性的な人たちが集まり、
それは探偵勉強会や実際の現場に出て肌で感じてきました。
とは言え、一番怪しく個性的なのはダントツでY先生なのですが^^;…
怪しい風貌なのですが、常に紳士的な物腰であり、鋭い眼光をしたと思えば、子供のような純真な瞳を見せる…
本当に掴みどころのない、今までに会ったことのないタイプの人でした。
今回の依頼では、
そんな百戦練磨の先生が実際に現場に現れると聞いて少しワクワクしていました。
そして、その日も所定の集合場所にに向かう僕なのでした。。
それではそろそろ話しにいってみたいと思います。
今回の依頼は…やはり浮気調査でした(^_^;)
(当時、探偵に来る依頼の大半を占めると言われていました)
そして今回も、
チーム編成での大掛かりな調査となりました。
マンションから出てくる依頼主の旦那さんを待ち…といういつものパターンかと思いきや、、
なんと、
そのマンションは浮気相手のマンションであり、そこから出てくる旦那さんと浮気相手のそれぞれの動向も探ってほしいとの依頼です。
それでコレだけのチーム編成での調査となった訳です。。
(ターゲットは2人ということになります)
それぞれの持ち場で探偵達が待機し、僕は浮気相手の調査班となりました。
この日の早朝、
調査開始の一時間前にその日のチームメンバーが顔合わせをします。
今回は初めての人ばかりでした。
先ず目についたのは、入道さん。
髭面の巨体で、パッと見いかつい風貌なんですが、笑顔が人懐っこく
初対面の僕に名刺をくれ(探偵用)直ぐに打ち解け感じの良い方でした。
そして、お次は
僕より少し年上の兵藤さんと古井さん。
この二人は顔見知りのようで探偵学校の同期とのことでした。
いずれも副業で探偵をやっているとのことでしたね。。
おっと、もう一人忘れていましたが、笹井さんです…
なぜ忘れていたかと云うと、
この人…集合場所が分からず迷ってしまい、未だ集合場所にたどり着いていないのです^^;
実は笹井さんとは以前探偵勉強会でお会いしたことがあります。
オタクな風貌なのですが、この人…やたら法律に詳しく、
今まで警察の交通取締で何度も引っかかったそうですが、一度も違反切符を切られたことがないという強者でした(^_^;)
なんでも、
道路交通法に熟知しているらしく、取締りのやり方の違法性を、その時に法的な視点で訴え、絶対に認めないそうです。
裁判沙汰になるのをややこしがってか、警察官も根負けして毎回勝利を収めて来たとのこと…
(まさに警察官キラー)
僕が、よくそんな事…凄いですね^^;、というと
「いや〜趣味みたいなもんです」とアッサリ云うのです。
恐ろしい人ですね…^^;
僕が警察官時代、こんな人に当たらなくて本当によかったと心底思いました(^_^;)
まあ、そんなメンバーです。
ココに探偵の師匠Y先生が途中顔を見せると聞いていました。
我々は所定の位置に車で張り込み、ターゲット(対象者)が現れるのを緊張して待っていました。
因みに、
この張り込みもちゃんとしたセオリーやテクニックがあります。
自分たちの乗る車種やその配置の仕方、
チームで張り込む場合や個人でやる場合
また、その時の自分たちの服装など…
”いずれも目立たず、周辺環境と溶け込んでいる事が基本なんです”
これらも探偵学校で探偵学として全て学んできます。
そして、その探偵学教本を作っているのも師匠Y先生なのです。
”その人自ら現場に来る”というのですから、一体どんな仕事ぶりを見せるのか
楽しみにしていました。
僕は古井さんの車で一緒に待機していました。
30分ほど経った頃でしょうか、、派手な赤いスポーツカーが現場に入ってきました。
なんや、あの車は?
と思って見ていました…
その車からゆらりと降りる男…
明らかに周辺から浮いている、サングラスに口髭オールバックの男がこちらに向かってゆっくり歩いてきます。
「あ~ご苦労さん〜、これでも飲んで~」
と缶コーヒーを差し出しました。
そう、間違いありません!我が師匠Y先生です(^_^;)
”思いっきり周辺の環境から浮いとるやないかい!”
”あの探偵学教本と全然逆やないかい!”
と突っ込むのぐっとこらえて、
「有難うございます、いただきます」
と古井さんと声を揃えて言ってました^^;
いやっ、やっぱりY先生は凄いんです。
先生が現場に来た途端、皆の肩に力が入っていたのが抜けたようで、
冷静に落ち着いた気がします…
先生の、多くの現場を踏んできたからこその「余裕」、、
教科書通りではない、”実際の探偵の姿”を見た気がしました。
実際、
Y先生はこれまで僕がお手伝いした調査でも、終始リラックスした様子で
いつも皆に支持を出していました。そこにはいつも”余裕”がありました…
そして、その日の調査でも全ての段取り、チームの動きを把握しつつ
適宜指示を出して滞りなく終わったのでした。
あっ、“滞りなく”と言いましたが、一人忘れていました。
警察官キラーの笹井さんです。
彼は道に迷いに迷った挙げ句、結局我々と合流したのは調査も終わりに差し掛かった頃でした(^_^;)
(Y先生が電話で教えてナビゲートしてたのですが…)
調査途中に先生に聞くと
「う~ん、笹井くんは着いてないよ~、まだ迷ってるみたい」と言ってました、とんでもない方向音痴なんでしょう^^;)
笹井さん…
道路交通法には詳しいが、道路はよく分かっていなかったようです。。
(先生、ナビゲートお疲れ様でした…)
と、今回はこの辺で。
仕事の思い出【探偵編】、
次回、探偵の世界とお別れするこにした話を書きまして、一応の終わりにしたいと思います。
ありがとうございました。
つなぐ
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