『スピリチュアルなんかぶっ飛ばせ』

スピリチュアルを否定するブログではありません(^^)  25年以上この世界を見てきた僕の思うがままを書きます。夢物語ばかりの“えせスピリチュアル”はふっ飛ばしていく姿勢です。

第43回『ほぼ実話⁉警察学校青春日記』⑨【最恐教官と仲間との別れ】

前回、

TVでキムタク主演の「教場Ⅱ」を観てまた書いてみようかなと、思い立った本シリーズです。


久しぶりなもので、最初から読んで頂ければ分かり良いですし嬉しく思います(^^)↓




ドラマ教場では冷徹非情な教官としてキムタク演じる風間教官というのが出てきますが、

実はとっても”ええ教官”であることは前回のブログで書きましたね↓




そして

僕の描く『警察学校青春日記』にも冷徹非情な「K教官」という人が出てきます。


こちらはマジものです^^;)


K教官が風間教官のようなら、

どんなによかったか…

とマジで思いました(^_^;)


そんなK教官の冷徹な一面を見たのが今回のエピソード、、


早速始めていきたいと思います 。


※今回初めての方は背景がわかる↓記事から読ん頂ければより分かり良いと思います。


第12回『ほぼ実話!?警察学校青春日記』③警察学校の寮生活 


面倒くさい方はこのままどうぞ^^;)



では、

いつもの通りあの頃の僕(→俺)にバトンタッチしたいと思います。


過去にタイムスリップ!(古いっ)






警察学校に入校して二ヶ月…


厳しい訓練や学内での異常な”しきたり”に、常に緊張感はあるものの

俺達はこの”独特の世界”に少しずつ慣れ始めていた。。


第一の関門である根性面接も無事通過!

(根性面接についてはこちら↓)

第13回『ほぼ実話!?警察学校青春日記』④恐怖の根性面接 -


日中は日課時限(授業)をこなし、終了後

夕刻からの寮生活においても先輩訓練生達の目があり、規律正しい生活態度が求められる…

加えて我々の担任教官は

あの”警察学校最恐”と言われるK教官、、

その日のお勤めが終わった後も、自主トレをクラス一丸となって毎日行わなければならない…

(くつろぐ他クラスを横目に…(^^;)


そんな生活なので、

同じクラスの仲間とは、より一層絆は深まっていった。。


そして、

この警察学校内で”唯一”と言っていいリラックス場所が

この自分たちの居室(仕切りのある六人部屋)なのだ。

日中の訓練での愚痴や泣き言^^; などもこの場所では思わずこぼしてしまう。


そんな訳で、

クラスのメンバーの中でも最初に打ち解けるのが”同部屋の仲間”だった。


俺以外の同部屋メンバーは以前にも書いたように、

青っちろいやさ男だが陽気な柔道の有段者

「 川岸」


いつも何を考えているかわからん、不気味な剣道の猛者「 田山」


よくミスして教官から喝を入れられる絵に書いた文化会系「新谷」


俺と一番気の合うラガーマン

「住田」


いかにも事務方といった感じの礼儀正しい「元松さん」


の計 六名だ。


最後に紹介した元松さんだけ”さん”付けなのは、俺より2つ年が上だからだ。


警察学校は同期とは言え、募集要項の年齢制限以内の者が集まってくる。

そのため、自分より年下年上もおり、一つ違いくらいはタメ口になっていく場合もあるが

2つ、3つ上ともなると、それなりの敬語で話す場合が多かった。


元松さんはそれに加えて、

とっても礼儀正しく、年下の俺達にも敬語で話す人だったのでなおさらだった。


元松さんは某有名証券会社を辞めてまで警察官を志し、

そして見事、今こうして俺達と共に警察学校入校を果たした。


それは相当の決意と覚悟を持ってのことだったろう。

同じく社会人を経験して警察に入った俺にはそのことが良くわかる。


俺も”真面目だ”と小さい頃から言われることはあったが、

元松さんは俺なんかが足元にも及ばないくらい”真面目オーラ”を出す人だった。


太い黒縁メガネと丁寧すぎるくらい丁寧な話口用がより一層それを物語っていた。


そして本当に「いい人」だった。


警察学校三大訓練と言われる徒歩訓練で、俺が足を痛めて行軍する隊列から脱落しそうになった時

いつも穏やかな元松さんが、


「つなぐ〜(俺のこと)!  頑張れ!」


と横について必死に励ましてくれたりもした。



そんな元松さんが

ある日を境に、俺達の担任であるK教官に

よく呼び出される様になる…


俺達同部屋の仲間も心配になり聞かずにはいられない、


「元松さん  何かあったんすか?最近K教官からよく呼び出しありますよね…」


すると、


「実は教官から警察を辞めるように言われてるんです」

「私は警察を辞めたくないんですが…  お前には適正がないと…

「先日の徒歩訓練でも審査されていたんですが…  頑張ったんですが…」


と、

うなだれるように元松さんが言い、俺達は絶句してしまった。



元松さんは、

クソ真面目すぎるくらい真面目な印象と体格も小柄(もちろん募集要項はクリアーしている)

だが、体力や学力や生活面も十分こなせているし、あの超難関の警察官採用試験を通ってきたわけだから

其の当たりの事も適正を欠く理由とは思えない…


教官は何を持って適正としているのか?


俺達は納得できなかった。

「なんで元松さんが辞めさせられなあかんねん!」

…思わず叫んでいた。


なんとかならんもんかと、思いつつ

無力な俺たちには何も出来ない…


そう、これはドラマではない

「教官に意見する」など当時の俺達には考えられない環境だった。。



しばらくした後、その日は無情にも来る…


クラス単位の挨拶は無く、同部屋の俺達にだけ別れを告げ、元松さんはひっそり警察学校を去っていった。。


この時から俺のK教官に対する感情が、信頼から不審へ少しずつ変わって行ったのかも知れない。


そして日々の忙しさに忙殺され、その事も忘れていく。。

いつまでもその事で立ち止まってはいられない…

警察学校とはそんなところだった。


「絶対に警察学校を卒業してやる」


俺は矛盾を抱えつつも決意を新たにした。


元松さん…さよなら…




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※警察学校には、厳然とした”ある統計”が存在する


”入校した訓練生の約一割が卒業せずに脱落していく…”


ある者は学校生活に耐えられず…

あるものは不正(学内テストでのカンニングなど)…

ある者は…


毎年ほぼこの数字になるとのこと。。


(実際、俺の同期200名中20名程が警察学校を去っている…)


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と、

現在に戻ります(^_^)


いや〜 書いてて暗〜い回になってしまったなぁと思います ^^;)


こんな暗くするつもりはなかったのですが…

シリーズ一暗い話になってしまったかもです(^_^;)



元松さん、他のクラスに配属されていたなら…辞めさせられる事はなかったのではと今でも思ってしまいます。


某有名証券会社を辞めてまで警察官になった彼を辞める所まで追い込むK教官の冷徹非情ぶり…

ドラマ「教場」の風間教官が仏様のように感じます。


その後、

元松さんが辞めた有名証券会社は倒産します。

世間を揺るがす大ニュースになるほどでした。


元松さんにとっては、警察を志すため辞めた会社…

倒産という形で辞めるのか、自分の志しに於いて辞めるのか…


違いはありますが、

元松さんにとってその選択が、そして警察を去ることになった事が

後の人生に於いて良かったことを願ってやみません。


今回はこの辺で。


読んでいただき有難うございました。