『スピリチュアルなんかぶっ飛ばせ』

スピリチュアルを否定するブログではありません(^^)  25年以上この世界を見てきた僕の思うがままを書きます。夢物語ばかりの“えせスピリチュアル”はふっ飛ばしていく姿勢です。

第31回 仕事の思い出【探偵編⑪「師匠、現場に降臨!」】

少し寒さがおちついてきていますが、油断せず冷えないように

気をつけている つなぐ です(^_^;)


さて、前回までの四回分程は僕の探偵デビューから現場の幾つかの仕事について書いてみました。

第27回 仕事の思い出【探偵編⑦「いざ現場へ!Part1」】 

第28回 仕事の思い出【探偵編⑧「いざ現場へ!Part2」】 

第29回 仕事の思い出【探偵編⑨「いざ現場へ!part3」】 

第30回 仕事の思い出【探偵編⑩「現場・短編集」】 


探偵編ももうすぐ書き終えようと思っていますので、

今回で現場の話を一応終わりにしようと思っています。。



今回書くのは、現場に出た思い出で今でも印象深く覚えている話なんです。


それは、我が探偵の師匠 Y先生が初めて現場に登場したときの話です…



Y先生との出会いについてはこちらからお読み下さい↓

第21回 仕事の思い出【探偵編①「探偵学校へ!」】 


先生はこの探偵業界も長く、大阪でも結構名の通ったベテランの探偵です。

また、「探偵学校」も長年運営し沢山の卒業生を輩出、そこから実際に探偵も生まれています。



そんなY先生の周りには個性的な人たちが集まり、

それは探偵勉強会や実際の現場に出て肌で感じてきました。


とは言え、一番怪しく個性的なのはダントツでY先生なのですが^^;…


怪しい風貌なのですが、常に紳士的な物腰であり、鋭い眼光をしたと思えば、子供のような純真な瞳を見せる…

本当に掴みどころのない、今までに会ったことのないタイプの人でした。


今回の依頼では、

そんな百戦練磨の先生が実際に現場に現れると聞いて少しワクワクしていました。


そして、その日も所定の集合場所にに向かう僕なのでした。。


それではそろそろ話しにいってみたいと思います。







今回の依頼は…やはり浮気調査でした(^_^;)

(当時、探偵に来る依頼の大半を占めると言われていました)


そして今回も、

チーム編成での大掛かりな調査となりました。

マンションから出てくる依頼主の旦那さんを待ち…といういつものパターンかと思いきや、、

なんと、

そのマンションは浮気相手のマンションであり、そこから出てくる旦那さんと浮気相手のそれぞれの動向も探ってほしいとの依頼です。


それでコレだけのチーム編成での調査となった訳です。。

(ターゲットは2人ということになります)


それぞれの持ち場で探偵達が待機し、僕は浮気相手の調査班となりました。


この日の早朝、

調査開始の一時間前にその日のチームメンバーが顔合わせをします。

今回は初めての人ばかりでした。


先ず目についたのは、入道さん。

髭面の巨体で、パッと見いかつい風貌なんですが、笑顔が人懐っこく

初対面の僕に名刺をくれ(探偵用)直ぐに打ち解け感じの良い方でした。

そして、お次は

僕より少し年上の兵藤さんと古井さん。

この二人は顔見知りのようで探偵学校の同期とのことでした。


いずれも副業で探偵をやっているとのことでしたね。。


おっと、もう一人忘れていましたが、笹井さんです…


なぜ忘れていたかと云うと、

この人…集合場所が分からず迷ってしまい、未だ集合場所にたどり着いていないのです^^;


実は笹井さんとは以前探偵勉強会でお会いしたことがあります。

オタクな風貌なのですが、この人…やたら法律に詳しく、

今まで警察の交通取締で何度も引っかかったそうですが、一度も違反切符を切られたことがないという強者でした(^_^;)


なんでも、

道路交通法に熟知しているらしく、取締りのやり方の違法性を、その時に法的な視点で訴え、絶対に認めないそうです。

裁判沙汰になるのをややこしがってか、警察官も根負けして毎回勝利を収めて来たとのこと…

(まさに警察官キラー)


僕が、よくそんな事…凄いですね^^;、というと


「いや〜趣味みたいなもんです」とアッサリ云うのです。


恐ろしい人ですね…^^;

僕が警察官時代、こんな人に当たらなくて本当によかったと心底思いました(^_^;)


まあ、そんなメンバーです。


ココに探偵の師匠Y先生が途中顔を見せると聞いていました。


我々は所定の位置に車で張り込み、ターゲット(対象者)が現れるのを緊張して待っていました。


因みに、

この張り込みもちゃんとしたセオリーやテクニックがあります。


自分たちの乗る車種やその配置の仕方、

チームで張り込む場合や個人でやる場合

また、その時の自分たちの服装など…


”いずれも目立たず、周辺環境と溶け込んでいる事が基本なんです”


これらも探偵学校で探偵学として全て学んできます。

そして、その探偵学教本を作っているのも師匠Y先生なのです。


”その人自ら現場に来る”というのですから、一体どんな仕事ぶりを見せるのか

楽しみにしていました。



僕は古井さんの車で一緒に待機していました。

30分ほど経った頃でしょうか、、派手な赤いスポーツカーが現場に入ってきました。


なんや、あの車は?


と思って見ていました…


その車からゆらりと降りる男…

明らかに周辺から浮いている、サングラスに口髭オールバックの男がこちらに向かってゆっくり歩いてきます。


「あ~ご苦労さん〜、これでも飲んで~」


と缶コーヒーを差し出しました。


そう、間違いありません!我が師匠Y先生です(^_^;)


”思いっきり周辺の環境から浮いとるやないかい!”

”あの探偵学教本と全然逆やないかい!”


と突っ込むのぐっとこらえて、

「有難うございます、いただきます」


と古井さんと声を揃えて言ってました^^;



いやっ、やっぱりY先生は凄いんです。

先生が現場に来た途端、皆の肩に力が入っていたのが抜けたようで、

冷静に落ち着いた気がします…


先生の、多くの現場を踏んできたからこその「余裕」、、

教科書通りではない、”実際の探偵の姿”を見た気がしました。


実際、

Y先生はこれまで僕がお手伝いした調査でも、終始リラックスした様子で

いつも皆に支持を出していました。そこにはいつも”余裕”がありました…


そして、その日の調査でも全ての段取り、チームの動きを把握しつつ

適宜指示を出して滞りなく終わったのでした。


あっ、“滞りなく”と言いましたが、一人忘れていました。


警察官キラーの笹井さんです。

彼は道に迷いに迷った挙げ句、結局我々と合流したのは調査も終わりに差し掛かった頃でした(^_^;)

(Y先生が電話で教えてナビゲートしてたのですが…)


調査途中に先生に聞くと

「う~ん、笹井くんは着いてないよ~、まだ迷ってるみたい」と言ってました、とんでもない方向音痴なんでしょう^^;)


笹井さん…

道路交通法には詳しいが、道路はよく分かっていなかったようです。。

(先生、ナビゲートお疲れ様でした…)




と、今回はこの辺で。


仕事の思い出【探偵編】、

次回、探偵の世界とお別れするこにした話を書きまして、一応の終わりにしたいと思います。


ありがとうございました。


                                 つなぐ

第30回 仕事の思い出【探偵編⑩「現場・短編集」】

そろそろ、この探偵編も終わりに近づいてきている予感がしている つなぐ です(^_^;)


「書きたい時に書きたいモノを」と、僕の人生の回想録の意味も込めて

楽しんで書かせてもらっております。


でもそろそろ、またスピリチュアル色のより強い話を書きたくなってきました。


しかし、

の”仕事の思い出「探偵編」”も僕の過去との決着を着ける意味でも

探偵業界を去る最後まで書きたいと思っています。

(おそらく、あと二回分程です)


今回は調査現場の風景を二話のオムニバス形式で書こうと思います。


では、いってみたいと思います。







【第一話】


今回の調査は…やはり浮気調査でした。

(探偵業の大半を占めると言われる浮気調査です)


本日の調査は前回↓

↑で書いたような大掛かりなものではなく、


二人調査です。


その相棒は…


第24回 仕事の思い出【探偵編④「探偵達の饗宴:勉強会潜入!」】 


でも書きました「探偵勉強会」で登場した滋賀さんです


そう…


この人…


元ヤ○ザなんです(^_^;)


僕は車で指定された場所に赴くと、、

サングラスに髭面の苦みばしった中年男…

滋賀さんが立っていました。


「おう、おはようさん」


と車に乗り込む。

現場に向かいながら本日のターゲット(対象者)についての打ち合わせをします。


滋賀さんは、我が師匠Y先生とコンビを組んでいる人であり、

この業界(探偵)もそこそこ長いので、何があっても安心です(^^)


元ヤ○ザと二人で調査なんて怖くない?と思われるかも知れませんね。

でも滋賀さんとは、探偵勉強会や探偵学校時代にもよく会っており話もしたことがあるのです。


また、元警察官で体育会系だった当時の僕を結構気に入ってくれているようでした。


そして実は、この日まで“その事”を知らなかったんです(^_^;)



その日は比較的簡単な張り込み調査で、対象の建物から目を話さなければ、

のんびり車の中で話せるくらいでしたので、色々話したんですね。


その時にポロッと滋賀さんの口から出たんです、ポロッと…


「まあ、ワシは以前は組織の人間やったからな


えっ、、組織といいますと…”あの組織”ですか…?


「そうや、その組織や」(ニヤリと髭面が歪んだ)

(ホンマVシネマに出てきそうな表情でした…)


僕の経歴を知っていたので逆に話したのかも知れませんね。

(それ以上は余り深入りはしませんでした…大人のたしなみです^^;)


でも不思議なものです。

元ヤ○ザと元警察がこうして並んで同じ仕事をしてるなんて…

まさに人生の不思議、ある意味スピリチュアルですね^^;



と、その時!

それまでリラックスしていた滋賀さんの眼光が鋭くなり、

ターゲットの建物の方を凝視し微動だにしません!


何か動きがあったのか?!

(さすがコレが本物の探偵か…緊張する空気!)


次の瞬間、滋賀さんが言いました…

「え~女やな〜」

緩む空気。

なんのことはありません。通りすがりの女性に目を奪われただけでした(^_^;)


チャン  チャン♪




【第二話】


今回の依頼は浮気調査…ではなく”素行調査”でした。

素行調査と言うのは、、

ある特定の人物の”ある期間における行動を調べる”とでも言えば分かり易いですかね。


とは言え内容は、依頼主が“水商売で知り合った女性の一日の行動を知りたい”ということからの依頼です。。

惚れた相手に男性の影があるかどうか気になって仕方ない…

やはり浮気調査と同じく色恋沙汰にはお金かけても知りたいパワーがあるのでしょうね…


コレも仕事です。しっかりやるだけですが…

(↑おっと前回も書きました。この言葉が出たときには気をつけないと^^;)



調査メンバーは二人、その相棒は…


第25回 仕事の思い出【探偵編⑤「探偵勉強会打ち上げ!」】 


で知り合い、その後の調査でも組んだ


探偵学校同期の小此木さんです。


今回はマンションでの2方向からの張り込みのため、第一話のようにのんびり話す暇もありませんでした。

更に、マンション付近の張立ちんぼでの張り込みは周辺に怪しまれないよう神経を使います。


更に寒いし…

たまに小此木さんと携帯で状況確認をするくらいで地味で孤独な戦いなんです(^_^;)


結局この日、女性は近くのスーパーに買い物にいったくらいで、その他は何もありませんでした。


この様な地味でしんどい調査ももちろん探偵の日常なんでしょうね。。


 調査が終わって少し小此木さんと話しました。

自社のホームページを作って本格的に活動し始めたとのことでした。


この時、僕はと云うと…

自分でも気づかない内に”探偵で身を立てて行く”

ということに対して心が揺らぎつつあったのかも知れません。



と、今回はこの辺で。


次回、現場に師匠Y先生がいよいよ登場します!


ありがとうございました。


                             つなぐ

第29回 仕事の思い出【探偵編⑨「いざ現場へ!part3」】


最強寒波で世間は揺れておりますが、

コツコツブログを書いております 

つなぐです(^_^;)


さて前回、浮気調査のため集結したY先生門下の探偵4人。詳しくはこちら↓




対象者(ターゲット)の車に

僕がGPS発信器を取り付けようとする、まさにその時で終わりました。


「車に発信器を取り付ける…」

映画やドラマによくあるこのシーンですが、現実に考えるとかなり躊躇します^^;



しかし当時の自分は、探偵業界にもう片足を突っ込んだ男です。

「”コレも仕事”なんやからやらなあかん」

とばかりに勢いづいていました。


でもここで、思うんです。。


この「仕事ですから…」


と言うセリフ。


よくドラマなどでも見聞きする言葉ですよね。

便利な言葉でもありますが、一方でこのセリフを言えば何でもまかり通る風潮が怖いんです。


どんな過酷な状況、理不尽な扱い等にもこの言葉を言えば魔法のように通ってしまう…

やれ、

「あなたも大変ですね」→「仕事ですから」

「よくもこんなことができるな⁉」→「それが私の仕事だ」

色々な場面で出てきますね。


この言葉、ややもすると、

”言ってる本人の気持ち”をもしかしたら押し殺してしまっている部分があるのかも知れません。

使ってしまったら、よくよく自分の内面と向き合ってみる時なのかも?

と、ちょっと気をつけています。。



ということで、

そろそろ前回の続き、行ってみたいと思います。






初めて持ったGPS発信器は意外にゴツく重かったのを覚えています。

(現在は小型軽量化されているんでしょうね…)


車の下後部辺りという、大体の取り付け位置を聞いて、怪しまれずに取り付けます。


今回は路上に車が停めてあるため、

”キャッチボールの球が誤って車の下に入った。それを取るフリをして取り付ける”作戦


で行くことになりました。

(最悪、車の下に手を入れているところを見つかっても言い訳できるためです)



そして、

車に近づき、教えてもらった下部に手を伸ばしマグネットのGPSを付けるのですが…

聞いていたのと違い、なかなかピッタリ張り付く場所が見つかりません。


周りを見回しターゲットが来ないか焦る、焦る(^_^;)


あった!

ちょうどの位置が見つかりペタンと取り付け、なに食わぬ顔でその場を離れました。

(警察でも色々経験しましたが、別の意味で心臓がドキドキしたのを今でも覚えています)


その後しばらく、周辺で待機…

そして、いよいよターゲットが出てきました。車に乗って出ていきます。


緊張の一瞬です!



四人体制で追跡、20分程走ったでしょうか、、ターゲットは港に車をつけたのです。

ただ結構見晴らし効く港だったので、隠れられる所がありません。


バイクの小此木さんは目立つと判断したのか、かなり後方で待機してます(ナイス判断!)



僕たち車組は少し離れた場所で海を見に来ているフリをして待機、

(密会しているのなら、相手も含め写真を撮らなければいけないからです)



少しすると、

別の車がターゲットの車に近づいてきました。

明らかに誰かと会っています。そして相手は女性でした!


僕は怪しまれないよう、違う方向を向きながらカメラのシャッターを押しました!

(怪しまれないようにとビビりすぎ、後の現像写真は全く明後日の方向を撮っていました^^;)


しばらくの間、なにやら話しているようです…

が、突然双方の車に乗り込み走り出したのです。


一緒にどこかに行くのかと思いきや二台は別れてしまい少し焦ったのですが、

兼ねてからの打ち合わせ通り、僕の車と小此木さんのバイクはターゲットの車、

他は相手女性の車を追跡しました。



このターゲット、

車の運転が結構荒く、ついていくのが大変な上、家には帰らず違う方向の交通量の多い道路を走って行きます。


(車での尾行というのは、意外に難しいんです…それを思い知らされました^^;)



車線変更をガンガンするターゲットに加え、交通量が多いためついていくのが大変です。


そのうち、空港に行く車線に入って流されてしまい僕の車だけ、空港へ続く橋を渡ってしまう羽目に…


もちろん、ターゲットを見失い、後は小此木さんのバイクが頼りです。。




僕は情けない気持ちで、橋の往復の交通料を払い、Y先生に報告。


先生は


「あ〜いいよ。つなぐさんはもう帰ってきていいから」


と、いつものごとく飄々と軽やかに仰います。


そんなわけで、その日の調査から離脱となったのでした。。


ちょっと情けない終わり方をした今回の調査。


その後聞いたのですが…

僕が見失ったターゲットはその後、小此木さんのバイクでも最後の方で見失います。


しかしGPS発信器により、目的地はターゲットの実家と判明。

我々の行動の目視と合わせて、その日の調査報告は体裁が整ったようです。


発信器取り付けが命綱となりました。

(計画を立てたY先生の判断は流石です)



「車輌による尾行が難しい」と言うこと事を身をもって感じた1日となったのでした。



と、今回はこの辺りで。


次回も更に現場の話を書いてみます。


ありがとうございました。


                                つなぐ